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暗愚なブッシュと福田

 ブッシュ米大統領と日本の福田総理は、暗愚な政治家で、国を誤ったと後世の史家から厳しく指弾されるのではないか。
 いや、後世どころか、現にアメリカでも日本でも議会筋から現在進行している米朝改善、日朝改善の対北朝鮮外交への厳しい批判が舞い上がっている。
◇ぼくはかねてから中国の音頭取りによる6カ国会議を通じての北朝鮮の核放棄は眉唾ものと踏んでいた。ロシアや中国は北にとっては親類筋であり同盟軍であるが、アメリカや日本は不倶戴天の敵である。はっきり言って、北朝鮮が核を開発し、核兵器を持つのはアメリカや日本に対する恫喝外交の武器なのである。
 これを見せびらかすことによって、経済援助を受けたり、テロ指定国の解除のカードにしているわけで、北が核武装から丸裸になることなどおよそナンセンスである。
 ナンセンスを承知で、北の話に乗ったり、ゆるふんの如くだらしない妥協をしているのは、ブッシュ大統領も福田首相も低落している人気を挽回して去りゆく道の花道にしたいからである。
◇つまり、国益や国民の幸せを犠牲にして、閉ざされた対北朝鮮国交を樹立しようとする助平ごころからである。
 ブッシュ、福田の2人の指導者の欲がからみあっての大譲歩というべきで、金正日将軍はハナ歌を歌ってほくそ笑んでいることだろう。
◇いま、世界の注目を集めているのは、なぜ、アメリカが北朝鮮のテロ支援国指定の解除に踏み切ったかという疑問である。
 1987年、大韓航空機爆破事件が起きた。日本人の旅券を持った2人の北朝鮮工作員がミャンマー沖上空で大韓航空機を爆破させた。その翌年、米国は北をテロ支援国家に指定した。
 アメリカの同盟国イスラエルや西欧諸国が北朝鮮に深い不信感を持つのは、北の核兵器技術がシリアやイランなどのならずもの国家に拡散しているという疑いからであるが、その疑いを晴らすことなくテロ支援国指定を解除するというのであるから米議会が反対するのは当然である。
◇北朝鮮のテロ支援行為は、このほかにも1983年のラングーン事件がある。
 現ヤンゴンで、韓国の当時の全斗煥大統領の一行を狙った爆弾テロ事件が起き韓国高官17人が死亡した。時のビルマ政府は北朝鮮の工作員の犯行と断定し、国交を断絶した。
 さらに10年さかのぼって1970年赤軍派9人による日航機・よど号ハイジャック事件が起きた。北朝鮮は9人をかくまって彼らを日本人拉致工作用に利用した。
 それ以前から日本人の拉致被害が相ついだが、当時の日本政府は親北勢力の影響下にあって長くこの事実が伏せられていた。
◇日本人拉致被害者救済と日本への送還は被害者家族はもとより日本人の悲願であり、それは国の独立と国民の安全に関わる問題だが、日本政府は北朝鮮の巧みな外交に乗せられ、かつ、アメリカの裏切りによって「再調査する」という北の文言と引き換えに経済封鎖の解除や北朝鮮船舶の入港を認めることにした。
 そればかりか、6カ国で約したエネルギー支援(重油95万㌧)の負担を強いられる。
◇北とのこれまでの交渉で、調査や約束がいかにウソで固められていたか、日本国民は知り尽くしている。なのに、なぜ何らの具体的な進展の成果を確かめることなく、一方的に北のいうままに制裁解除に踏み切ったのか。
 日本政府の米追従の主体性のなさにもあきれるが、ブッシュ大統領は日本の拉致被害をテロと考えていないのか。イラクで泥沼に入っているあせりから、日本を見捨てて、北朝鮮へ譲歩したのか。これでは同盟国の不信を買うばかりか、核拡散を通じての世界のならずものを得意がらせるだけではないか。【押谷盛利】

2008年07月02日 16:37 |


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