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テレビ受け狙う政治(見聞録)

 長浜信用金庫が主催した政治評論家・三宅久之氏の講演会は、テレビ番組の人気者というだけあって、600人を超える市民が入場した。
 政治、経済、少子化問題など多岐にわたる歯に衣着せぬ論調は、テレビで観る三宅氏そのものだった。
 興味深かったのは、次期総裁選の話題。
 衆議院の解散総選挙は、今月の洞爺湖サミット後は、いつ行われてもおかしくない情勢だが、福田内閣の支持率が示すように、このまま選挙をすれば自民党が議席を減らすのは間違いない。
 三宅氏は、自民党は総選挙の前に「選挙の顔」である総裁から福田氏を引きずり降ろして、総裁選を行うはずだと推論した。
◇前回の総裁選から判断すると、事実上は麻生太郎氏と谷垣禎一氏の一騎打ちとなる公算だが、三宅氏は「今のワイドショー時代にこの2人じゃダメだ」と自説を披露した。
 というのは、麻生氏と谷垣氏という地味なコンビでの総裁選では有権者の注目を集められない。
 このため、選挙を盛り上げる脇役が必要になる。まずは、紅一点の小池百合子・元環境大臣。彼女は大臣時代に「クールビズ」を取り入れて流行らせたうえ、郵政解散では地元・兵庫の選挙区を捨てて東京で「くのいち」として、郵政反対派と対決するなど、話題豊富。有権者からも人気があり、総裁選の盛り上げ役には不可欠な存在。
 もう一人は後藤田正純氏。「顔がいい」と三宅氏。
◇三宅氏は「この4人が北海道から順番に下ると、テレビのワイドショー番組が取り上げ、民主が消し飛ぶ」と。「麻生が勝つだろう。そしてすぐ解散」とシナリオを描いた。
 9月に党首選が迫る民主党についても、「小沢一郎ではダメ。若手が出て丁々発止、盛り上げないと」と語った。
◇三宅氏の指摘はなるほどそのとおりで、今の政治はワイドショーに取り上げられる機会が増えた。
 郵政解散は記憶に新しい。当時の小泉純一郎首相が郵政民営化反対派に話題の候補を差し向かわせ、ワイドショーは「刺客」「くのいち」と、自民の内紛を大々的に取り上げた。結果、民主をはじめとする野党は、存在感を失い、消し飛んだ。
◇最近では政治家がワイドショーに戦略的に出演し、お茶の間の話題になろうと、テレビ受けを狙っている。
 政治のワイドショー化は、有権者にとって難しい政治が身近に、そして面白くなったかもしれない。しかし、テレビ受けする容姿や口調、盛り上げ方だけで、政治家を判断する危険はありはしないか。
 三宅氏が言うように、有権者はワイドショー番組の影響下で、政治評価を決めるきらいがあり、政治家もそれをよく理解している。
 だからこそ、総裁選4人構想が生まれる訳だが、有権者もただ、それに踊らされてはつまらない。
 三宅氏は「今はワイドショー時代だから」と語ったが、自虐的にも聞こえた。

2008年07月01日 16:34 |


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