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ニセモノと本物の魅力(見聞録)

 ビール大手5社の発表によると、5月のビール類の出荷量のうち、最も低価格な部類「第3のビール」が、984万ケース(1ケースは大瓶換算で20本)となり、発泡酒(976万ケース)を抜いた。
 食品価格の高騰などに対応するため、嗜好品にかける費用を抑制したい消費者の生活防衛色が濃くなっていることがうかがえる。
◇第3のビールは、従来のビールや発泡酒と違う原料、製法で作ったアルコール飲料。酒税法上「ビール」や「発泡酒」に属さないことから、税率が低く低価格を実現。1缶(350㍉㍑)で130円前後と、本物のビールの3分の2程の価格だ。
 2003年の酒税法改正を契機に普及した。以前はビールより税率が低い発泡酒が売れ行きを伸ばしていた。これはメーカーがより安いビールを実現するため、改良を重ねて生み出したわけだが、税収不足に悩む政府は法改正であっさりと発泡酒の税率を引き上げた。
 このため、再度、メーカーがビールに似たアルコール飲料の開発に乗り出し、2004年から第3のビールが市場に並ぶことになった。
◇5月のビール類の出荷量は、ビール5・5%減、発泡酒9・1%減と、いずれも前年同月を割り込んだが、第3のビールのみ16・3%増と大きな伸びを見せた。
 味も本物に劣らず、値段が安いとなれば、「ニセモノ」と分かっていても、そちらに手を伸ばすのが、今の消費者の心理だろう。
◇生活防衛とはいえ、たまには本物も楽しみたいと思うのも「愛飲家」の心理。ちょうど長浜には、地ビールを楽しめる「長濱浪漫ビール」(朝日町)がある。
 米川沿いに位置し、かつて米蔵として使用されていた白壁の建物を、醸造蔵として再生させ、レストランを併設している。
 秀吉博が開幕したばかりの1996年4月27日、地ビールブームの先駆け的存在としてオープンした。
 当時の滋賀夕刊の記事によると、オープン初日は店の前に行列ができ、開店と同時に170席全席が埋まった。その後も1時間待ちの状態で、待ちきれない客の中には「立ち席」で飲み始める人もいて、昼は観光客、夜は市民で賑わった。
◇麦芽、ホップ、イーストのみを使って醸造され、日本地ビール協会金賞に輝いた「長浜エール」をはじめ、「淡海ピルスナー」「伊吹バイツェン」「黒壁スタウト」の4種類がスタメン。
 味は日本で好まれる「のどごし」よりも、コクや苦味を重視し、どちらかというと欧米で好まれる風味。
 最近は、この4種の他にビターチョコレートをイメージした濃厚な「ショコラエール」、夏向けの「ゴールデンエール」なども登場している。
 貯蔵タンクとサーバーが直結しているので、作りたての生ビールをその場で楽しめるの一番の魅力だ。
◇長浜浪漫ビールでも、原材料の高騰で4月から価格の値上げを余儀なくされたが、現在、6月末までの期間限定で、ビールを1杯たった100円で提供するフェアを開催している。地元客に本物の味を楽しんでもらいたいと、毎年6月と12月に開催しており、連日、盛況。

2008年06月13日 17:57 |


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