身心の健康と食事法
8日、発生した秋葉原の無差別殺害事件は内外に大きな衝撃を与えた。
ここ10年、日本各地で残虐な殺傷事件が頻発し、ことに憂うべきは青少年犯罪が目立つことである。これは何も日本に限ったことではなく、アメリカをはじめ西欧先進国でもみられる不幸な社会現象といえる。
宗教や国籍、人種や習慣の相違を越えて生活と台所革命を通じて健康と幸福の理論を実践している久司道夫(くし・みちお)氏は、今からほぼ30年前に「このままの状況が続けば20世紀末の世界は、人類の半数が、慢性的な病気と狂気におののく破算社会が訪れるであろう」と予言している。
すでに21世紀に入って10年になろうとしているが、その予言を立証するごとく、われわれは今、不安と不健康に苦しんでいる。
物質文明の限りなき繁栄を作り出した人類が、目下、急速に生物学的にも精神的にも退化と衰滅に向かうという矛盾を病んでいる。
早い話、われわれ自身やその周辺に眼を転じよう。
心臓病、癌、糖尿病、虚弱体質、その他いろいろな変性疾病や精神病、犯罪など肉体的、精神的劣弱化の傾向は全世界に広まりつつある。
◇この危機意識に基づいて人類の救済を考え実践しているのが、久司道夫氏の唱える「マクロビオティック」理論である。
これは、陰陽を基本とする宇宙の秩序、自然の法則に調和する生活を目的とする精神文化で創始者は桜沢如一氏(1893~1966)。彼の理論を継承し発展させたのが久司氏で、今、アメリカで爆発的な話題を呼び、その著作(英語)はドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル語に翻訳出版され、欧州各国に大きな反響をもたらした。
マクロビオティックはギリシャ語で、マクロは「大きい、偉大、長い」の意。ビオは英語のバイオ(生命)。ティックは道、方法、理論。つまり、巨視的な宇宙観、宇宙の秩序に従った生活の道。別の表現をすれば長寿と若返りの方法といえよう。
これまでの人類はギリシャ文明以来、自然を征服することによって物質文明を築いてきたが、今、その反省に立って、宇宙の秩序、自然の法則に調和する生活に切りかえることによって、血液と細胞を浄化し、人間性の進化を実現しようとする。これが久司理論の出発点である。
◇以下、簡単にマクロビオティックの食事についてのべる。
人間は肉体、精神の全体にわたって健康で幸せであるためには正しい食事法を実践すべきであり、温暖で四季のはっきりした温帯での原則。
①食事は植物性のものからとる(ときには動物性の食物を補足してもよい)。
②精白しない穀類を主食とし、それで各食事の半分以上を占める。
③野菜類はいろいろの料理法で、塩または塩を含んだ調味料を用い加熱調理するが、体質や気候により生か、それに近い状態で食べてもよい。野菜はその季節のもの、その地方でとれたものから選ぶ。
④海中植物は陸上の植物より量、頻度ともすくなめにして副食に加える。
⑤果物と堅果は、その地方でとれるものならば体質に応じ、季節に応じてとることが出来る。
⑥動物性食品は量、頻度ともできるだけ少なくし、多いときでも食事量の15%以内にとどめるとともに、必ず多量の野菜、ショウガ、シイタケなどを添えて食べる。
⑦調味料は無精製の塩と植物油。熱帯、亜熱帯産の香料、芳香性草本は避ける。ダシはコンブ、シイタケ、カツオブシ、煮干しを用いる。
化学調味料や合成酢は使わない。
⑧飲料は同じ気候圏で生育する草本植物から作られたもの。
⑨毎日、食事量の5%程度(小さな椀で1、2杯)の味噌汁か、純正醤油のすまし汁をとる。具は種々の野菜、海藻、豆類、と変化をもたせる。
⑩飲料は、ほうじ茶、タンポポ茶、ゴボウ、乾燥根茶、その他無芳香の草本植物茶、穀物茶は毎日飲むのがよい。芳香がなく刺激のないものならよい(日貿出版・久司道夫著、マクロビオティック健康法参照)。【押谷盛利】
2008年06月11日 15:25 | パーマリンク
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