思考停止の増税策(見聞録)
沖縄県議選で与党が敗れ、過半数を割ったが、その敗因は後期高齢者医療制度における高齢者イジメの結果と分析できよう。
最近話題の「居酒屋タクシー」といい、官僚による税金の不透明使用が明るみになる中での、高齢者への相応負担を求める制度に、有権者がノーを付きつけた。
とはいえ、今後ますます進展する高齢化社会にあって、国の担う社会保障制度の維持は避けられない。
高齢者への負担を求める制度が失敗し、新たな財源の模索が迫られるここに来て、タバコ税の引き上げが与野党で熱く語られ始めている。
◇自民党の中川秀直元幹事長、民主党の前原誠司副代表らが、たばこ税率の大幅引き上げを目指す超党派の議連を近く立ち上げる。目標は1箱1000円だという。
欧米ではタバコ1箱当たりの価格は700円程で1000円を超えることも珍しくない。タバコの健康被害が重視され、重税化されている所以だ。議連では日本の300円前後のタバコを、欧米並みに増税して、社会保障費に当てようと、もくろんでいる。
◇タバコ1箱1000円論は、日本財団の笹川陽平会長の主張。
日本財団は競艇の売り上げの一部を財源に、財団や社会福祉法人を支援する公益法人。
同氏は、1箱1000円に値上げし消費量が変わらないならば、9兆5000億円(消費税4%分)の税収増が見込めると試算。たとえ消費量が3分の1になっても、3兆円を見込めるとした。
この主張に、飛びついたのが与党。政府では来年度から基礎年金の国庫負担率を3分の1から2分の1に引き上げることを決めており、必要な財源2兆3000億円の確保に頭を悩ませていたからだ。
また、消費税の引き上げで賄おうにも、▽ガソリン暫定税率の延長▽道路特定財源の不明朗支出▽後期高齢者医療制度の失敗で、有権者の反発みえみえの福田政権下では、自殺行為。
タバコ税の引き上げで当面の課題をしのげるなら、歓迎ということだろう。
取り易いところから取るというのは、過去の発泡酒の増税に似て荒っぽい手法だが、嫌煙家は歓迎だし、医療費の抑制にも効果があるだろう。
野党にも財政再建と医療費削減の一石二鳥になると、タバコ税の引き上げに理解を示している幹部もいるから、与野党足並み揃えてのタバコ税引き上げが現実味を帯びてきた。
◇ただ、気がかりなのは、税金を取るだけ取って、相変わらずの無駄遣い体質が続くのではないか、ということだ。
税収が不足しているからと、国民の反発が少なそうな分野で増税してしまえ、というのは自転車操業的発想というか、思考停止気味のように感じる。
「居酒屋タクシー」のような笑えない話題を振りまくくらいなら、官僚には襟を正して無駄遣いを抑制し、国会議員にも税金の使途を徹底チェックしてもらいたい。そうでなければ愛煙家、タバコ農家、小売店が浮かばれない。
2008年06月10日 18:42 | パーマリンク
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