天の戒めと思いたい
不景気風が吹いている、というのに、ちまたでは押し寄せる物価上昇に悲鳴の声を聞くようになった。
国民の足となっている車にとって頭の痛いのはガソリンの値上げである。
国連食糧農業機関(FAO)が20日発表した今後10年間の農産物価格は、憂うべき上げ潮基調といっていい。
一体、どれくらいの上昇率と推定しているのだろうか。過去10年(98~07)に比べると今後10年(08~17)の上昇率は、小麦43%、コメ34%、牛肉、豚肉20%、砂糖30%、バター60%以上、植物油80%。
食料は生活の基本だから、その価格が大幅に上がれば台所を直撃するから家計への赤信号となることは必定。
◇国連の10年間予測より一足早く、日本では静かな値上げの波が家計を圧迫しつつある。
30日付、朝日の生活欄によると3月以降の食品の主な値上げはバター25円~35円、牛乳1㍑10円、しょうゆ1㍑38円、食パン1斤20円。
その他、日用品についてもティッシュペーパー、トイレットペーパー、食用品ラップなどの値上げを報じ、関電は7月から電気代月81円、大阪ガスは月157円、日航、全日空は国内線の普通運賃平均9%アップという。
◇カネがあってもモノが足りなければ、人々はモノに殺到して、いきおい、物価は上がる。これが単純なるインフレの理論だが、一口にモノといってもモノによりけりで、食糧などは生命に直結するから一国が飢饉に襲われたり、内戦その他失政などで食糧危機にさらされると暴動の起こる可能性さえある。
アフリカの食糧危機はそういう意味で世界の関心を引いているが、さて日本はどうだろうか。
日本で開かれている第4回アフリカ会議で、福田首相は飢餓層の救済や農業振興に支援することを述べている。
政府はこれまでに1億ドル(約105億円)の食糧援助を表明しているが、途上国の農産物の生産力向上について、さらに支援してゆくことを表明した。
◇今から60年前の日本は敗戦の焼土による物不足と食糧難に苦しみ、配給米だけの貧しい生活で餓死した裁判官があった。皇居へ向かっての「コメ寄こせデモ」が話題をさらった暗い時期があった。
半世紀をとっくに経過した今、信じられぬ話であるが、多くの人はイモ飯、大根飯、カボチャの蔓の汁をすすって生きた。
◇それやこれやを思うと、今の日本の「モノ」の値上げ情報の如きは国民生活のあり方に関する天の戒めかもしれない。
テレビ、新聞、雑誌などでは、ダイエットの奨めや、そのための健康食品、健康器具の宣伝が目を引くし、メタボ(太りすぎ)に関する情報が花盛りである。
ヒマとカネの使い道に困っている人が多いのか、外国旅行の案内も盛んである。
天の戒めとは何か。なにごともほどほどがよいぞよ。
このさい、車を減らして徒歩や自転車、電車、バスの利用を。
買いあさり、食いあさり、飲みあさりをやめ、残飯、食べ残し一掃の習慣を。甘いものを控えめに糖尿予備軍へ入らぬこと。
そういう天からのお指図と思って、生活のあり姿を反省することが大事なのでは。【押谷盛利】
2008年05月31日 15:09 | パーマリンク
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