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オレンジリボン(見聞録)

 ブルー、ピンク、ホワイト、オレンジ―。様々な色のリボンにメッセージを込め、身に付ける「リボン運動」。アメリカで80年代に広がったこの取り組みは、日本では北朝鮮による拉致被害者の救出を願う「ブルーリボン」の登場で、国会議員や支援者が身に付けて注目を集めだした。
 乳がんの早期発見と検診を促すのは「ピンクリボン」。下着メーカーなどが支援して、認知度が高まりつつある。
 このほかにも、社会や家庭からの暴力根絶をめざす「パープルリボン」、妊娠や出産の事故から母子の命を守る「ホワイトリボン」などがある。
 そして、児童虐待の防止を願うのが「オレンジリボン」。2004年に栃木県小山市で起きた児童虐待事件を契機に、翌年から始まった。
 滋賀県でも今年11月に開催する「子どもの虐待防止推進全国フォーラム」への気運を盛り上げるため、オレンジリボンによる啓発キャンペーンを計画している
◇滋賀県は15日、昨年度、子ども家庭相談センターに寄せられた虐待相談件数を発表した。
 相談件数は764件にのぼり、7年前に比べ2・6倍に膨らんでいる。
 専門家は虐待増加の背景に家庭を取り巻く環境の変化があると指摘。虐待者の7割が実母という実態は、核家族化で母親が孤立している現状を物語っている。
 ひと昔前なら、若い母親が子育てに苦労しても、一緒に住んでいる祖父母や実家の両親が助けてくれた。しかし、今の核家族では、働き盛りの父親は子育てを手伝えず、その負担が母親1人にのしかかる。母親は子育てに悩み、誰にも相談できず、ストレスをため、我が子への愛情をゆがめてしまう。
 近所付き合いの希薄化も一因だろう。
 また、一般的に母子家庭や再婚家庭は母親のストレスが大きく、虐待のリスクが高まるという。
◇虐待の最も深刻な側面は「連鎖する」こと。虐待を受けた子どもが親になった時、今度は自分の子どもを虐待する傾向がある。親から十分な愛情を受けて育たないと、自身の子どもにも同じ対応をしてしまうのだ。
◇相次ぐ虐待事件を受け、この4月、児童虐待防止法が改正され、相談センターの権限が拡大された。
 これまでは、虐待情報があればセンターの職員が子どもの安否確認のため、家庭を訪問するが、家人に拒否されれば、お手上げだった。
 法改正により、センターは裁判所の令状を後ろ盾に「臨検」「捜索」が可能になり、現場では、その強権化を歓迎。さらに、虐待の疑いのある家庭を継続的に見守る体制づくりに取り組む方針だ。
◇全国フォーラムの誘致に成功した滋賀県は、当面はオレンジリボンの普及に努め、児童虐待に対する県民の関心を高める。
 若い母親が子育てに悩んでいるようなら、父親は積極的に関わり、夫婦の両親も子育てを手伝おう。母親の孤立化を防ぐため、社会全体が隣近所の子どもに関心を持とう。子育ての基本は家庭と近所だ。

2008年05月16日 14:28 |


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