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福田首相への赤信号

 注目の衆院山口2区補欠選挙は27日、投開票の結果、民主前職の平岡秀夫氏=社民推薦=が、自民新人の山本繁太郎氏=公明推薦=を破り当選した。
 自民党は負けるべくして敗れ、民主党は勝つべくして勝利した。
 この選挙の意義は大きい。中央から遠く離れた本州最西端の政治地図の運命というよりも近き将来の衆議院解散に伴う日本の政治の動向を占うからである。
 いわば、いつ行われても不思議でない衆院選の前哨戦として重視されていた。
◇敗れた自民党は、福田首相就任後の初の国政選挙だっただけに、なにがなんでもご祝儀当選の縁起をかつぎたかった。その悲願が空しく消えて、たちまち暗雲が垂れ始めた。
 明確な流れというべきか、次なる国政選挙の顔としての福田さんに赤信号が点(つ)いた。
 さかのぼれば、福田さんは登板以来、いいとこなしに日を送ってきた。
 早々に中国や韓国にいい顔を見せたが、それは逆に日本の国民に不快感をもたらした。
 首相が国内問題で、リーダーシップを発揮した例を知らない。道路特定財源問題で、ピンチにさらされたとき、大きくカードを切ったつもりの「一般財源化」も裏では党内で袋叩きにあい、結局、見せびらかしの空手形よろしく、5月国会で帳消しの10カ年計画が提案される。
 何よりも情けないのは、安倍さん以来の鳴りもの入りの国家公務員法の改正案がずたずたに骨抜きにされたことである。公務員法改正のねらいは人事の刷新であり、天下り禁止であったが、見事に空中分解し、官僚は胸をなでおろした。
◇民主党は敵失によって点を稼いでいる格好だが、ここにきて、心の底から国民の支援に応えねばなるまい。日銀総裁の人事にしても、目下のガソリン税についても、この党がここまで戦えるのは、さきの参院選の勝利によるものである。つまり国民が民主党の政策に肩入れをしたからである。もっと端的に言えば国民が政権交替を望んだからである。土台に白アリが発生して久しいから根本的に建て直さねば、との思いが国民の政治的関心を深めたのである。
 この国民の心に素直に応え得るかどうか、民主党への関心は急浮上するが、それが本物かインチキかは時間が証明してゆく。
 目下は、党首の小沢一郎氏の求心力がまがりなりにも維持しているが、高揚する国民的人気には程遠い。一つは中国寄りの姿勢がきわ立っているからである。いうべきことを言わない訪問外交は、むしろ国益を損なう。同じことは拉致問題への北朝鮮の対応にも問われる。
 小沢さんは、小泉さんの継承者である安倍さんには協力しなかったが、福田さんには大連立への協力を約すなど、その政治的方向は親中国寄りであり、今回の北京オリンピック聖火リレーに対する野党党首としてのコメントも聞かずじまいであった。
 彼のイメージともいうべき豪腕は、日本の政治改革の上で期待するものだが、それが錆びているか、冴えているか、今後の歩みが注目されよう。【押谷盛利】

2008年04月28日 13:41 |


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