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土台の腐りは並でない

 19日付の時評で「官のでしゃばりを突く」のテーマで、明治以来の伝統ともいうべき官僚支配による半封建的国家について触れた。
 その後段で、「なぜ、官僚が支配し、横着をきめこむのか。それは政治家が官僚に頭が上がらないからである」と総括した。
 続いて、23日の時評は「建て直すための設計」なる一文を書いた。この時評は少しユーモアを含めて、肩のこらぬ書きっぷりをしたつもりだが、ペンを走らせるぼくの心の中は怒りに溢れていた。
 あの時評の核心は福祉にしろ、医療にしろ、年金にしろ、カネに行き詰まったら奥の手は消費税だとする安易、無責任流を追及することにある。
 国民はお人好しというのか、金持ち、けんかせず、というのか、腹の立つ政治や許せない役人の犯罪に対して、わりかし、たんたんと呑みこんで、一週間ほどするとけろりと忘れてしまう。
◇ぼくが23日の時評で、唐突にも「建て直すための設計」を書いたのは、あの文章の最後の項目に尽きる。
 「この国は今もって役人の天国であり、官僚は表は政治家に尾を振っているが、裏ではアホ扱いにして、最後は国民のカネで帳尻を合わせる」。
 「まやかしの、国民不在のおどろおどろしい政治が戦後一貫して続いてきた。その口惜しさ、不満があるから大阪府の橋下知事への支持率が70%にも80%にもなっているのだ」。
 「白アリで土台が腐ってきているのだから建て直すしかないが、設計の基本は正直ものがバカを見ぬシステムであろう」。
◇役人天国にメスを入れるということは官僚支配の政治体制を改めることであり、小泉さんや安倍さんが信念的に取り組んだ公務員改革がそれである。
 正しくは「国家公務員制度改革基本法」というが、福田さんも逃げるわけにはゆかぬから渡辺担当相を留任させて国会を乗り切るハラだったが、案の定(じょう)官僚と族議員の猛抵抗にあって、中身はずたずたに骨抜きにされ、おそらく審議の段階で潰されるであろう。
 公務員改革を小泉さん以来3人の首相が「重要法案」として、国民受けの目玉商品としながらも途中でけつまずくのは、いかに官僚の力が強大であるかを如実に示す一例である。
◇官僚は表は政治家をたてるが、裏ではハナから笑っている。政治家なにするものぞ、とバカにする一例は、21日、初公判の行われた防衛省汚職の元防衛省次官の守屋武昌被告にみることができる。
 5年近くも次官を勤めていた守屋被告は防衛省の天皇とまで言われていた。この言葉が端的に示すように大臣より上位ということが公認されていた。上位というよりも天上の一人で、別格のえらいさんだった。
 この男、次官生活が余りに長期にわたるので、省内の綱紀の面からも替えねばならぬ、と小池百合子防衛大臣が策したところ、「やれるもんならやってみろ」と、すごみをきかせて官邸や防衛族議員に手を回して、その人事案を潰してしまった。
 あげくの果ては、小池さんの首を引き替えに退任した。
 小池さんは、それでも彼を防衛省の顧問として採用するハラだった。
◇もう国民は忘れたかもしれないが、薬害エイズ事件で製薬会社と旧厚生省役人の癒着が問題になった。厚生省OBが製薬会社へ天下りして、国民の健康よりも製薬会社の利益に奉仕した。その官僚やOBを支援していたのが厚生省族議員である。
 土台の腐りは並でない。【押谷盛利】

2008年04月24日 17:00 |


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