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官の「でしゃばり」を突く

 ものの管理や売り買い、運営、経営をするのに公(国)営と私営がある。
 企業を例にとれば公営企業と会社のようなものである。同じ博打(ばくち)でもパチンコは私企業、競馬は公営。国鉄と呼んだころのJRは国営だったが、今は民営。
 かつての総理・小泉純一郎さんは「民でやれるものは民に任せるがよい」として、道路公団や郵政の民営化を断行したが正論であり、民主主義の経済法則にもかなっている。
◇明治維新当時の日本は、世界の先進国に追いつくため広く西洋文明を取り入れたが、その政策推進に一番の隘路(あいろ)となっていたのは金融財政の未成熟だった。
 このため政府は国立銀行を立ち上げ、これを見習わせるように各地で民間銀行の奨励した。また鉄道、電信、軍備、その他国家的規模の大事業展開に当たり外国からの資本導入を考え外債を発行した。
 国(政府)は国土の建設、安全、利用、国民の教育、福祉、警察と司法、国防、産業振興など民営になじみにくいところや利潤性のない部門は国営もしくは公営事業として取り組み、その必要な経費が税金の対象となり予算化される。
 したがって、出来るだけ国のでしゃばりをやめて、極力、民間企業に任すことが望ましく、民主的文明国家になればなるほど官より民への発想が広がってゆく。
◇逆に、なにもかも政府や府県が采配したり、政府系の法人が顔を突っこむのは民よりも公が上であるという官尊民卑の独裁国家というべきである。現代の共産国家や一部の軍部独裁国がそれである。
◇日本は表向きは規制緩和で民が成長し、産業界はもとより、国民に関係の深い生活部門など民主導の文明国家のよそおいをしているが、子細に見ればあらゆる部門に官がちらちらして、役人王国の片鱗をうかがわせる。
 ぼくはこれを「官のでしゃばり」と批判するのであるが、厚かましくも官僚は民間企業や団体を「下におれ」とばかり「行政指導」なる言質でもって言いがかりをつけたり、面倒な規制などを押しつける。
 なぜ、今の世に官が横着をきめ、威張るのか。
 それが明治以降の日本の官僚の生きる方程式であり、伝統である。この一点に関する限り、日本は決して民主主義国家ではなく、官僚支配の半封建社会というべきである。
 なぜ、官僚が支配し、横着をきめこむのか。それは国民代表たるべき政治家が頭が上がらないからである。その典型的な一例が先の日銀総裁人事の首相提案である。
 このほか、もろもろの官優位とそれによる業界との癒着、国民軽視のかずかずをしっかり総括する政治家や言論人に期待したい。【押谷盛利】

2008年04月19日 17:19 |


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