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道路特別会計への怒り

 口が、からからに渇いて飲みものを欲しくなるときがある。
 貧しくて、飲まず食わずに働いた、と昔の人の苦労話を聞いたことがある。が、この場合の「飲む」は飲酒であろう。食わずは、まともな米飯にありつけず、大根や藷飯、草木の葉や根を食べたという粗食のことであろう。
 汗にまみれて走っているマラソンの選手がレースの途中で水を飲みながら走る姿をテレビで見るが、喉(のど)が渇(かわ)けば、ぶっ倒れるかもしれない。
 これから夏へかけては喉の渇く季節だが、ご馳走を前にして、ひどく食べたくなるのを「喉が鳴る」という。食べものに限らないが、欲しくて、欲しくて、たまらないのを「喉から手の出るほど」と形容する。
◇中国の古代から伝わって、なじまれている教えの一つに「渇(かつ)しても盗泉の水は飲まず」がある。
 喉が、からからに渇(かわ)いても、盗泉という名の池の水は飲まない、という意味。盗みというものの罪悪感の厳しさを教える言葉で、よく似た戒めが他にもある。
 「李下(りか)に冠(かんむり)を正(ただ)さす」。すももの実を盗んだと疑われるから、すももの木の下では帽子をかぶり直さない、という意味。
 もう一つ似たのが「瓜田(かでん)に履(くつ)を納(い)れず」。瓜(うり)を盗むのかと疑われるから、瓜畑では靴が脱げても履き直さない、という意味で、いずれも人に疑われるようなことはするべきではない、という教え。
◇いまの日本のお役所は中央も地方も公務員の道を逸脱するばかりか、刑法犯に該当するような、盗み、ごまかし、使い込み、不適正乱費、収賄などの不法、不謹慎、不愉快な事件がありすぎる。
 公務員の綱紀の弛緩(しかん)窮まれり、といった感じで、善良かつ、まじめな職員には気の毒だが、国民の血税を吸う鬼蜘蛛(くも)か、白昼の覆面ドロみたいで腹が立って、立って、腹の虫がおさまらない。
◇さきには、防衛省の次官が兵器取引をめぐって企業と癒着し、省内はもとより政治家まで汚染して官僚と防衛族議員らに国民の疑惑と怒りが集中した。厚労省関係では不必要な施設や建物類をつぎつぎ建てて、年金資金を浪費し、年金保険庁の如きは国民はもちろんのこと、政治家の知らぬうちに、まるで湯水の如く年金会計のカネを使っていた。
◇今度は、国交省の役人が、例の道路特別会計とガソリン税の暫定税率に関する国会質疑の中で、道路以外に不正に乱費していたことが分かった。
 空いた口が塞がらないというが、この天下御免の大泥棒の如き実態は詳しく的確に国民の前にさらけ出す必要がある。甚だしきは私用に一人の役人がタクシー代500万円分も使っていた。道路名目の税金が自分らの住宅や遊び、飲み食い、その他、アホらしくて聞いていられぬくらいのデタラメぶりである。
 盗泉の水どころか、下水の水を頭からぶっかけてやりたい、とそう思うのが国民の心情である。
 値下げしたガソリンを4月末、再び上げるという、税法改正なんて、この期(ご)に及んでそんな厚かましいことをするようでは、国民は大挙して征伐するであろう。それが近代民主主義のルールであり、民意に基づく政治システムである。

2008年04月09日 18:24 |


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