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チベット弾圧と中国

 中国のギョウザ事件やチベットに対する弾圧、北京五輪の聖火ショーなど日本の新聞を見る限り、ウソとマコトが混在している感じで、国民は眉に唾(つば)をつけて、しっかりと真実を見きわめねば判断を誤る。
 日本の政治家やマスメディアは日本の歴史や伝統にどれほどの誇りやプライドを持っているのか。信用できぬことが多すぎるので要注意である。
◇独裁国というのは右にしろ、左にしろ、言論、集会の自由はない。日本を例にすれば、江戸期はお上(かみ)に盾(たて)つく出版物や集会、デモは許されなかった。旅行の自由もなく、一方的に藩の命令や代官のお達しが庄屋を通じて住民の暮らしを規制した。
 明治以降、形の上で民主化の欧米路線に転換したが、それも束の間、昭和の初期は軍の横暴と軍人内閣の専制で思想統制を強化し、治安維持法のもとに自由な文学や宗教までを弾圧した。政党は解散させ、労働組合や農民組合をご用化した。新聞はご用新聞となり、軍の情報操作によって、国民は真実を知る権利を奪われた。
◇いまの中国は戦争中の日本どころではない。共産党独裁の軍事・警察国家で国民の人権は無視され、反政府、反共産党の言論、集会、デモは一切許されぬ。工場誘致などで土地を強制的に取り上げるが、村民の抗議に対しては弾圧と逮捕で応じるだけである。
 今年の3月以来大騒ぎしている毒ギョウザ事件についても中国の民衆には知らされていない。国内各地で起きている人民の反発や抗議はほとんど知らされず、仮に報道しても政府の都合のいい宣伝で、戦争中の日本の大本営発表のような極端な情報操作が行われている。
◇チベットにおける中国の弾圧を中止せよの声は世界に広がり、欧米で北京五輪の開会式ボイコットの気運が高まっていることは、2日付けの時評で書いたが、弾圧はチベットのみならず、中国新疆ウイグル自治区にも波及している。
 3月23、24日に自治区南部のキータンで住民1000人のデモが起こっているが、中国内での自由取材が制限されているため、このニュースは台湾の通信社を通じて日本にも後日報道された。このデモで500人以上が逮捕されたが、日本での新聞報道は見落とすくらいの小さな扱いだった。
 デモは軍によって鎮圧されたが、参加者はウイグル族政治犯の釈放、逮捕している住民に対する残酷な刑罰をやめよと要求した。
◇中国のチベットにおける人権無視と武力弾圧に対する反発はジャカルタやネパールにも波及し、中国大使館前での抗議デモに発展しているが、31日北京の天安門広場で行われた聖火歓迎式典後、欧米19カ国を回る聖火リレーにどんなハプニングが生じるか、そういう点で、平和と人権のオリンピックが一党独裁の共産国家の政治ショーの場に堕ちてはならじの、強い信念の報道姿勢が日本のマスコミに望まれる。
◇日本の国会も道路特定財源と暫定税率で時間を潰すだけが能ではあるまい。
 真実の平和と自由と人権を希求する高い理想の下に、中国のチベット弾圧をやめて、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世との話しあいをするよう、国会決議をするぐらいの見識を見せてほしい。【押谷盛利】

2008年04月03日 13:29 |


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