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キャバ嬢と繭(よもやま)

 先日、テレビに全国各地の人気キャバ嬢(キャバクラに勤めるホステス)100人によるトーク番組をやっていた。「お笑い」と思って見ていたが、キャバ嬢の仕事を通して、地方格差が垣間見れた。
 東北の学生アルバイトは時給昼間600円、夜は1000円程度。キャバ嬢だと1500円までになるが、東京(六本木)では時給5000円が最低。時給1万円以上もざらで、東北のキャバ嬢1日分の給料が東京の1時間分に相当する。
 番組では両者の暮らしぶりを比較していたが、青森の娘(20)はアパート(1K12畳)暮らしで家賃3万7000円。自炊しながら地味な生活をしていたが、東京のトップクラスの店に勤務するキャバ嬢(24)は、月21万円のマンション(1LDK20畳)に住み、うち一室は物置に。部屋内やクローゼットには値札が付いたままの新品の洋服が無造作に山積みされていた。
 番組の中で東京のキャバ嬢が「(東京へ)出てくればいいじゃん」と言うと、秋田は「東京はおっかねえ。空気が違う。コロッケの臭い(油臭い)がして、鼻毛が伸びる」とあっさり断った。
 秋田の娘らの実家は皆、農家。客からの貢ぎ物もユニークで「トラクター」「米120㌔」「ジャガイモ」など現物支給。見た目はド派手だが、彼女たちの素朴な答えに思わず、顔が緩んでしまった。
 人間は金があれば贅沢に。貧乏であれば、それなりに質素な生活をする。身の丈に合わない無理な生活をすれば、どこかで歯車が狂ってしまう。そんなことをふと、思ってしまった。 
◇同じテレビの話題をもうひとつ。先日、滋賀夕刊で長浜の雑貨店が製造販売しているシルクボール(繭)が脚光を浴びていることを紹介した。そのきっかけはあるバラエティ番組だった。
 雑貨店は数年前、あるおじいさんからこの繭をみやげで売ってみないか、と薦められた。毎日、ドウランを塗る京都の舞妓さんが化粧を落としても皆、肌がきれいだという。なぜか?舞妓さんは化粧落としにシルクボールを使用しているからである。繭に含まれる天然タンパク質は保湿、美白などの効果があり、髪の毛の50分の1の太さのため、細かい毛穴の汚れをかき出すという。
 やがておじいさんは引退することになり、親しくしていた雑貨店にシルクボールの販売権を譲った。
 しかし、店頭に並べた商品は一向に減らず、店主も繭を倉庫に片付けようとした矢先の朝だった。突然、問屋からシルクボールの大量注文が入った。
 聞くと、カリスマ美容研究家のIKKO(イッコー)さんが「美顔に良い。愛用している」とテレビのバラエティ番組で紹介したらしい。翌日の朝から問屋のファクスは鳴りっぱなし。インターネットでは常連だった電気製品を抜いて3日連続、ヒット商品第1位にランキング。卸の雑貨店には1日数千、数万個の注文が入り出した。
 店では当初、店員らがシルクボールの加工をしていたが、追いつかず内職を急きょ雇うことに。その数は70人を超えたが、それでも注文に応じきれない状態が続いている。
 番組ではIKKOさんが店の名前や商品名は一切、PRしていない。雑貨店は「お客さんたちはインターネットで調べたらしいが、それにしてもマスコミの影響はすごい」と嬉しい悲鳴をあげていた。
 人生どこで何が転ぶか、わからない。「運命」や「宿命」というものをこの2つの番組を通して感じた。

2008年03月09日 14:06 |


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