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うやむや?毒ギョーザ(見聞録)

 中国製冷凍ギョーザから毒物が検出された問題は、中国公安当局が28日の会見で国内での混入の可能性を完全否定したことから、うやむやになりそうな気配だ。
 生産、包装、輸送で何の異常も見つからず、従業員からの聞き取り調査でも問題がなかったとの主張だ。
 未開封の製品の内部から有毒物質のメタミドホスが検出されたことも、袋の外からでも浸透するという「独自調査結果」を持ち出した。そして、毒物混入が工場の外でも起こりうるとの理論で、その矛先を日本に向けてきた訳だ。
 しかし、不純物の混ざったメタミドホスは日本国内に流通しておらず、逆に中国国内ではメタミドホスを使用した殺人や傷害事件が発生している。中国国内での混入説を重視する日本の捜査当局の見解は正しいと思うのだが。
◇中国政府は目下、夏の北京オリンピックの成功を至上命題としている。今回の毒ギョーザ事件が人為的な突発事故と仮定しても、オリンピックを控えたこのタイミングで、中国側に問題があったとの結論を出す訳にはゆかず、日本に強気で応じるしかないというお国事情が透けて見える。
 公安当局は当初から、ダメージの少ない「落とし所」を考えて捜査していたのではないだろうか。
◇北京オリンピックについては、共産党独裁政権下での開催に批判の声があり、「ジェノサイド(大虐殺)オリンピック」とも揶揄(やゆ)されている。
 スポーツの世界に政治問題を持ち込まないのが五輪ルールだが、チベットをはじめとする少数民族の弾圧、ダルフール紛争への「加担」などが、ボイコットの声を招いている。
 ダルフールでは政府と反政府勢力が内戦を続け、これまでに20万人が殺され、250万人の難民が生まれた。欧米各国は同国の石油利権が内戦を長引かせているとして産油から撤退したが、中国は深く同国に喰い込み、石油を買いあさり、その代金が内戦の武器、弾薬となっている。
 映画監督スティーブン・スピルバーグ氏が、北京オリンピックの芸術顧問から退いたのも、ダルフール問題に対する中国の無策への抗議からだ。
◇国内に目を転じても、土地の強制収容、役人の汚職と企業との癒着、止まらない環境破壊など、この国の制度やシステムといった構造的欠陥が浮き上がる。今回の毒ギョーザ捜査の結果も、その構造の一部かも知れない。
 今後も、日本はこの隣国と経済的付き合いが深くなるが、こういった欠陥を認識しながら、例えば、食品の輸入先を第三国にも振り分けるなど、リスクの分散が望まれよう。
 ともかく今回の公安当局の発表に対して、親中派の福田康夫首相がどういう態度で臨むのか。うやむやにしないことを祈りたい。

2008年02月29日 14:08 |


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