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首長選に見る特徴点

 24日、投開票された草津市長選は、現職の伊庭嘉兵衛氏(65)が敗れて、新人の前市職・橋川渉氏(59)が当選した。票差はわずか303票。両氏相譲らない激戦ぶりを実証したが、結局、勝敗のポイントは若さと改革にしぼられた。
 最近の県内各地の首長選ばかりでなく、全国的に見ても一つの顕著な選挙動向を知ることができる。
 これまでの首長選は、圧倒的に現職が有利だった。有利なるがゆえに、再選、三選、四選と回を重ねた。
 それが小泉改革の余波を受けて、現職必ずしも有利ならずの状況が生まれ、むしろ現職が改革の標的とされてきた。
◇地方首長選で最も劇的だったのは、一昨年の滋賀県知事選における嘉田知事とさきごろの大阪府知事選の橋下知事の出現だった。
 嘉田氏はオール与党化の現職の国松氏を退けたが、告示ぎりぎりの名乗りにもかかわらず、名もなきその他多勢の県民に支えられて当選した。背景には女性票や環境への関心もあったが、勝敗を決定づけたのは、若さと改革であり、しかも改革の二本柱を新幹線栗東新駅の凍結とダムの見直しに置いた。
 大阪府知事に当選した橋下氏の勝利は知名度もさることながら、圧倒的な若さと行動力、それに不退転の決意をにじませた府政の赤字克服への府債ストップと徹底した行政改革への旗振りだった。
◇この二つの知事選と全く似ているのが最近の大津市長選と京都市長選だった。
 大津市は目片氏が辛勝して再選されたが、敗者の黄瀬紀美子氏は告示直前の名乗りで知名度がなかった。もし、あと10日選挙戦が続けば結果は逆になっていたかも知れない。これまた若さと改革への市民の期待が高まったからである。
 京都市長選も同じことがいえる。共産党の推した候補者だったが、無党派層と一部の民主党及び社民党の支援で全く互角の勝負だった。やはり、ここでも若さと改革を求める有権者の心が底流していた。
◇湖北に目を転ずれば、坂田郡4町の合併による米原市長選は、米原町職員の平尾道雄氏の出馬で、市民の若さと改革への期待感が高まり、現職4町長の代表格・三山元暎氏は戦わずして後進に道を譲った。
 木之本町長選は古豪の藤田市治氏が6選を拒まれて新人の岩根博之氏の進出を許した。これまた若さと行政刷新を求める町民の声の反映だった。
◇草津市長選は、県南部における大津に次ぐ拠点都市であるから政争も激しいが、人口増の発展の過程における利権政治の闇の部分も根が深い。歴代市長が一期で交代したのも渦巻く膿(うみ)の結果であろうが、一つには政治を変える市民の意識が低かったともいえる。
 これは草津のみならず、県下全体における政治の後進性によるもので、この後進性に鋭くメスを入れたのが嘉田県政の誕生だった。
 栗東市長選は僅少差で改革派が敗れたが、近江八幡市長選は自民県議のなかで唯一、嘉田派に走った冨士谷英正氏が当選した。
 今後、彦根市長選、長浜市長選が続くわけだが、残念乍ら北へゆくにしたがって、住民の先頭に立って、地域のために献身しようとする若手の台頭が見られぬ。
 一つは、住民代表の議員の無自覚、無責任にもよる。これからの首長と議員に求められるのは、大阪府の橋下知事ではないが、聖域のない行政改革であり、無駄な事業や予算の全廃である。
 前例踏襲や既得権の継続、強いもの勝ちの発想などに勇気を振るって改革のメスを入れなければ地方に明かりは差さない。【押谷盛利】

2008年02月25日 14:23 |


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