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人権擁護法案は毒薬

 いま、中央政界で、無気味な妖怪のような法案が活火山帯のマグマのようにうごめいている。このマグマ、いまのうちに冷却し、ただの火成岩にしなければ日本全土を焼きつくし、この世を真暗闇にしかねない。
 地下に潜むマグマのような奇怪な法案とは一体、なにを指すのか。法案を準備し、国会に提出する動きは早くから自民党有力議員の間で進められてきたが、なぜか、多少の良心のうずきを感じるとみえ、堂々と宣言し、中央突破の勢いがない。いわば法案の名前にかこつけて、側が、ガヤガヤ騒がないうちにいつの間にやら通っていた、という状況を目論んでいるようである。
◇さて、その妖怪法案なるもの、ここらで仮面を脱いでもらいたい。
 21日付、産経新聞の読者はすでにお気付きかもしれないが、「クスリに見せかけた毒薬」という物騒な見出しの意見広告が出ている。
 この意見広告は、言論の自由を守る事実委員会の代表数氏が提案しているもので、その委員の中には、ぼくが日ごろから傾倒している評論家、作家、学者の名がある。
 そのうちでも桜井よしこ氏を筆頭に花岡信昭、屋山太郎氏らの言論人は日本の失いつつあるものを危惧し、教育に、外交に、環境と福祉に、多方面な活躍を見せ、日本の政治に隠然たる影響を発揮している。
 憂国の至情をふるって、国民に訴えている21日付、産経の意見広告は次の通りその前文にすべてが集約されている。
 「私たちは、人権擁護法案に反対します」。
◇「人権」からわれわれは何を類推するか、これは徳川政権下にお上がしばしば悪用した葵(あおい)の御紋に似てはいないか。水戸黄門が助さん、格さんを連れて、悪代官を征伐するとき、さっと差し出す葵の御紋。あれと同じ効果を発揮してきたのが「人権」であり、問答無用で地方のすみずみにまで浸透してきた。
 必ずしも国民にいい響きをもたらしていない人権なる用語が、いま大手を振って、堂々と法律の名前にうたわれて登場するには、何かわけがありそうである。しかし、ここは、国民たるもの「人権」なる名前にひるんだり、ごまかされたりしてはならない。
 そこで、ぼくはいま問題の意見広告を広く国民に読んでほしいと思い、以下広告の要旨を再録する。カッコ内は本文の一部。
 「これは偽装薬品です。一見、『人権』を『擁護』する『法案』ですが、この法律は日本人の人権と言論・表現の自由を抑圧する法律です」。
 「定義が曖昧な『人権』をタテに三権分立から独立した『人権委員会』が人権侵害と判断する行為を処罰、勧誘するものです」。「そのために全国に張り巡らされた『人権擁護委員』2万人が人々の言動を監視し、訴えがあると、捜査令状なしに立ち入り、証拠を押収します」。
 「国民の自由な意見が発信されるインターネットも壊滅的な打撃を受ける可能性が大きいのです。あなたのパソコンが、ある日、突然押収されてしまうかもしれません」、「政治や社会問題や宗教への何気ない疑問も」、「外国人参政権への反対意見も」、「拉致問題への発言、言動も」、「外国人犯罪への意見も」、「防衛問題への意見も」、「コミックマーケットに出す同人誌も」、「入学式、卒業式の国旗掲揚と国歌斉唱も」、「人権侵害だと訴えられる可能性が大きく、日本人の自由な言動、表現が抑圧、弾圧されます」。
 「自民党は平成20年通常国会にこの法案を提出する予定です。また民主党も自民党案以上に、より抑圧的な法案を用意しています」。「3年前にこの法案は、ネットを中心とする反対運動や良心的な政治家の尽力で立ち消えになったが、マスコミはその事実をほとんど報道していない」。
◇この危険な法案、詳しく知りたい方はインターネットで「人権擁護法案」を検索すればよい。これに反対する国民は地元選出の国会議員、地方議員に反対意見を寄せることが望ましい。一説には、この人権法案は、さきの戦争中、多くの国民の人権を奪った治安維持法に似るといわれる。これについても論評してゆきたい。【押谷盛利】

2008年02月21日 14:24 |


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