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台所は火の車(見聞録)

 全力で大阪を変えたい―。大阪府の橋下徹知事は6日の就任会見で「職員と一緒に死ぬ気になって汗をかきたい。その意気込みのない方には、府庁を去っていただきたい」と語った。
 5兆円に迫る府債を抱え、財政再建団体に転落しかねない府財政を建て直そうとの力強い決意と言えよう。
 橋下知事は職員の給与カットをはじめ、聖域を設けずにあらゆる事業をゼロベースで見直すと表明し、今後、府民生活にも相応の影響が出ることが予想されるが、これまでの府行政の放漫経営、そして監視役の府議会を野放しにしてきた有権者の責任でもあろう。
◇橋下知事が徹底改革を打ち出すことで、府の補助金に頼ってきた団体、企業から様々な圧力がかかるだろうし、議員や市職員も抵抗するだろう。そういう逆境で橋下府政がどこまで改革を達成できるのか、その行方に注目していたい。
◇橋下知事と同じく衝撃的に誕生した嘉田由紀子県政は2度目の予算案である08年度予算案を発表した。一般会計の総額は17年前の水準にまで減り、5000億円を切った。歳入不足で予算規模が縮小しているためだ。
 一般家庭では収入が減れば、支出を減らそうと、あれこれと、やりくりするが、従来の県は、借金(起債)をすることで不足分を賄ってきた。この安易な解決法は、支出超過問題の先送りにとどまらず、将来への大きな負担を残すことになるが、今に来て、その借金返済が財政を圧迫している。
◇県の予算書を読んで感じるのは、毎年、「財政構造改革プログラム」なるものに取り組み、無駄な経費の削減、効果の低い事業の廃止などに踏み切っても、その効果が見えないほどの歳入不足と、公債費・扶助費の増加があること。そして、結局、借金を繰り返し、問題を先送りにしている。
 今回の予算編成でも、どうやりくりしても420億円の財源不足が生じ、すでにカットしている職員の給与をさらにカットし、89事業で予算額を削減した。
 嘉田知事は断腸の思いで、福祉や教育といった聖域にも手をつけ、幅広い分野で事業費削減に取り組んだ。市町や議会からは猛反発を喰らったが、それほど、県財政が追い詰められているとの裏返しだろう。
◇財源不足を補うには結局、借金しか他に手段がなく、新たに719億円の県債を発行した。一方で公債費(県債償還)に744億円を計上したが、元金分は586億円にとどまり、県債残高は増えた。
 残高は2008年度末に9240億円に上る見込みで、県民1人あたりの借金に換算すると66万円、4人家族なら260万円もの借金を抱えている計算になる。
◇県民にとって、教育、福祉、環境、企業支援などで行政サービスが手厚くなることは歓迎だが、そのサービスは県職員の人件費を含めて、すべて県民の税金で賄われていることを自問すべきではないか。9000億円を超すこの借金、いずれ県民の税金で負担することになっていることを肝に銘じることだろう。
 大阪府の橋下知事の叫びは決して他人事ではない。

2008年02月12日 13:55 |


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