滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



中国食品を考える(見聞録)

 中国産のギョーザによる中毒事件は、被害の訴えが相次ぎ、全国で500人に迫る勢いを見せている。現段階では中毒の原因とみられる有機リン系殺虫剤が検出されたのは3件のみだが、どの段階で殺虫剤が混入したのか、日本、中国両捜査当局の解明が待たれる。
◇中国産に関する最近の事件を振り返ると▽ホウレンソウから基準値を超える農薬を検出(2002年)▽ダイエット用健康食品を服用した女性が亡くなる(2004年)▽ウナギから基準を超える抗生物質(2005年)▽偽造薬を成分とするせき止め薬で100人以上の幼児が死亡(2006年、パナマ)▽ペットフードを食べたペットが中毒死(2007、カナダ)▽練り歯磨きから有害物質(2007年、アメリカ)―など、記憶に残っているだけでも、いくつも出てくる。
 このように中国産の毒性被害は世界各地で発生しているが、今度のギョーザ中毒問題は、北京オリンピックを間近に控えた中国にとって大きな打撃。中国政府は、対中感情に配慮しているようで、すぐさま立ち入り調査に入り、談話を発表し、日本に捜査官の派遣を表明するなど迅速な対応をとっている。
◇しかし、過去の事例などを見る限り、今回の事件は一工場だけの問題にとどまらず、中国という国家の構造的問題が根底にあるのではないだろうか。
 共産党の一党独裁政権下での市場経済の導入が、官僚の利己主義、拝金主義を生み出し、公衆道徳や法令遵守の精神を失わせ、それが社会にも浸透している。今、オリンピックに向けて北京で実施されているマナー向上運動も、長年蓄積された利己主義の裏返しではないか。
◇福田首相は31日の衆院予算委員会で、「昨年の中国温家宝首相との会談で食品の安全は両国共通の課題との観点から、残留農薬の検査技術に関する研修を実施したいと表明した。1月中旬にフォローする調査団を出すなど前向きに取り組んでいる。今回の中毒事件もそういう枠組みで話し合いを進める」と答弁しているが、果たしてそんな悠長なことで良いのだろうか。
 ファミリーレストランなどの外食産業、スーパーの食材をはじめ、日本には中国製品があふれかえり、日本人の食生活に不可欠な存在となっている。安全性が疑問視されながらも、安さ故に消費者に歓迎されてきた側面もある。
 親中派とされる福田首相がこの問題を一工場の問題として片付けるのか、中国の構造的問題として強気の態度で食の安全確保を訴えるのか、気がかりだ。
 ちなみに、米国産牛肉のBSE問題に直面した当時の小泉首相は、米国産の牛肉輸入を禁止した。

2008年02月01日 13:20 |


このエントリーのトラックバックURL:
http://www.shigayukan.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1507

過去の時評


長浜市
長浜市議会
長浜観光協会