議会は合併の先頭に
地方の市長や議員は政治家と言えるかどうか、怪しいが、政治家というのは国や住民の独立、繁栄に敏感、前向きでなければならぬ。別の言葉でいえば天下の趨勢を正確に把握し、向かうところに誤りがあってはならぬ。
明治維新前夜に開国と欧米親近策に走った薩長土の下級武士や幕府の勝海舟たちは日本の将来を見据えた秀れた政治家であった。
◇いま、長浜や以北の6町で市町合併が進みつつあり、川島信也市長は信念をもって不退転の決意で合併にのぞんでいる。もともと川島氏は、湖北1市3郡の大同合併論者で、一時は長浜市ほか12町が合併協議のテーブルを囲んだ経緯がある。
これは長浜市の一部議員と坂田郡の旧近江町を除く3町首長らの背信で潰れたが、結果的には湖北を割る拙劣な合併劇に終わった。その功罪が今改めて問われるが、後発の第2期湖北合併に悔いを残さぬよう正しい判断をするのが、長浜市議会と他の6町議会の責任であろう。
◇いま、日本の政治は地方の分権時代に差しかかっており、遠くない将来、道州制の実現が期待されている。
天下の趨勢とはこれを指すのであって、いま北川正恭前三重県知事や宮崎県の東国原英夫知事らが中心となり「分権改革連合」が誕生しそうな状勢である。これは年内にも予想される衆院選に向けての勇気ある行動で、これまでの口先だけの官僚主導型地方分権を捨てて、真の意味の地方分権をねらう戦略であり、小さな政府、徹底した行革による官僚政治からの脱皮を目的としており、皮肉にも小泉改革の中心部分でもあった。
安倍内閣による小泉後継路線は、渡部行革担当相を通じて官僚組織の徹底改革に取り組んだが、自民党の族議員と官僚に反対されてうやむやに終始した。
道を誤った利権政治のおもむく方向であるが、地方自治体において同じ理由で改革を阻止する動きなしとしない。
◇いま、地方は東京一極集中の犠牲となって、税源は東京にもってゆかれ、産業、人口、交通、学術、文化、医療におけるますますの中央との格差に甘んじなければならなくなった。しかし、少子高齢化の波は音立てて地方を襲うことになり、限界集落など避けて通れぬ社会問題を抱えるようになった。
こういう国家的困難な状況下にあって地方と中央の格差を是正し、地方の住民の発展、福祉を考えるのは地方の首長や議員の共通の課題であり、それは行政の簡素化と同時に税源の確保、及び効率的運用に革命的発想を伴う。
当然ながら、機動力のある動き易い自治体、事業の集約的効果や地方の特質を生かした重点的施策など、これまでの総花的投資や中央依存の補助体質から大胆に脱却しなければならぬ。
その点では、既得権にしがみつく従来型、保守型体質を思いきって切りかえてゆかねばならぬ。
その先頭に立つのが地方の首長であり、議会である。
◇ぼくが見る限り、湖北地方の首長はそれが分かっているはずであり、とくに今回の1市6町の場合、長浜市長のみならず、伊香の4町長、東浅井の湖北、虎姫の2町長ともに積極的な合併推進論者であり、これらの首長が前回の失敗に顧み、慎重に手続きを踏みながらも、その機運を高めつつあるのは実に賢明で、正しい判断であると思う。
議会人は、いまさらのように編入だとか、正式な申し入れがどうだとか、まるで他人事のようなことを言う向きもあるが、国家の向う大局を掴みつつ、先ずは自らが住民とその地方自治体のあるべき未来図を画きながら、自ら主導的に合併機運を盛り立ててゆくべきではないか。
極端にいうと、これからの地方行政は、従来の町や村では用をなさなくなってゆくのだ。そういう時代に対応できる新しい自治体、それが合併の目標である。【押谷盛利】
2008年01月16日 13:39 | パーマリンク
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