滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



タイを知るなら三面記事(見聞録)

 毎年、日本や韓国、中国をはじめ、世界各国から観光客、ビジネスマンが訪れるタイ。その国際性から首都バンコクでは、各国出身者向けの新聞や雑誌が発行されている。
 バンコク市内を散策中、偶然、目についたのが「バンコク週報」なる新聞。日付は12月31日~1月6日となっており、どうやら年末に発行されたようだ。
 トップ記事は、12月に行われた下院総選挙の分析記事。タイではタクシン前首相の訪米中に軍事クーデターが発生し、国会正常化のための総選挙が行われたばかり。
 その記事の横には「インド洋大津波から3周年」の見出しで、2004年12月26日のインド洋大津波で甚大な被害を受けたビーチリゾートのプーケットで、日本人らが集まって慰霊祭を行ったことを報じている。
 このほか、年末年始にかけてバンコクのスワンナプーム空港が大混雑する予想報道で、日本人をはじめ多くの観光客が大挙入国するとの情報。
◇1面は政治や時事ネタで落ち着いた内容だったが、特集が興味深かった。年末発行ということで、「タイを知るなら三面記事」と題した特集を組み、2007年の事件をダイジェストで振り返っている。
 例えば、「ネット買春にご用心、会ってみれば100㌔超える超巨体」との見出し。バンコクに住む男性(28)がインターネットで売春情報を検索し、「わくわくしながら相手のアパートに向かった」ところ、目の前に現われたのは巨漢の女性。キャンセルを申し出たところ、殴られて携帯電話を奪われたという。この巨漢女は逮捕されたが、この手の詐欺まがいの売春情報がネット上に溢れ、被害者続出とか。
◇「売春婦に睡眠薬飲まされ瀕死の重症」の見出しの記事では、ビーチリゾートとして知られるパタヤで、インド人旅行者3人が地元の売春婦2人に睡眠薬入りのビールを飲まされ、現金やパスポートなどを奪われた事件を紹介している。
 現地で知り合った女性から睡眠薬を飲まされ、身ぐるみはがれる犯罪は、全世界の観光地で共通する手口。旅行者はそういう出会いに警戒が必要なのだが…。このインド人、意識不明の重症。
 「イスラエル人、子象を『人質』に警官と睨み合い」の記事も、タイのお国柄を代弁してユニーク。レンタカーで車やバイクに衝突する多重事故を起こしたイスラエル人が、逮捕されるのを恐れて、近くの野原に逃走。市民や警察に追われたことから、「たまたま近くにいた」子象(2歳)を「拘束」し、大型ナイフを片手に1時間、警官と睨み合った。容疑者のスキをついて警官が飛びかかり、子象を無事救出したという。
◇ダイジェスト版とはいえ、「売春」や「外国人」などに関わる事件が目に付き、その国際性、風俗などがうかがえる。
 ところで、タイでは年始の2日、プミポン国王の姉、ガラヤニー王女殿下が逝去し、国中が悲しみに包まれた。同国では15日間、喪に服すことになり、黒い衣服に身を包んだバンコク市民の姿が目立った。
 国王一家は国民から絶大な尊敬と信頼を受け、同国を訪れれば、あらゆる場所に肖像画や写真が掲げられていることに気付く。独裁国家にありがちな自己権威の表現ではなく、国民が国王を敬愛し、こぞって掲げるそうだ。
 現地で4年ぶりに再会した友人も、連日、黒い服を着て、王女の死を悼んでいた。
 世界各国の人々の喧騒に包まれ、売春婦やレディボーイが街を闊歩するバンコクにあって、王女の死を悼む姿に、どこか純朴な国民性に触れた気がした。

2008年01月15日 14:01 |


このエントリーのトラックバックURL:
http://www.shigayukan.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1430

過去の時評


長浜市
長浜市議会
長浜観光協会