予算編成と納税義務(見聞録)
滋賀県の2007年度予算案が発表されたが、人件費や福祉費、公債費(借金の返済)などの増加で、自由に使える予算が限られ、その苦しさがにじみ出ていた。一般会計だけでも県債(借金)は9000億円を超え、基金(貯金)はたった240億円。台所は火の車なのに、さらなる少子高齢化で今後ますます財政事情が苦しくなるのは目に見えている。
そんな危機的状況だから、有権者は昨年の知事選で、びわこ空港や新幹線新駅などの大型事業にカネを注ぎ込もうとした国松県政に「ノー」を突き付けた。そして嘉田知事は07年度予算に新幹線関連経費を盛り込まず、凍結に向けて大きく前進させた。
有権者が嘉田知事を選んだのは、財政に余裕がなく福祉や教育、環境分野での出費が求められている今の時代に、多額の税金を投入して利用度の低い駅を造るという前時代的発想に辟易したから。本来、そういった税金の使い方を監視するのは、県議会の役目なのだが、残念ながら嘉田県政が誕生するまでの県議会は古い思考を持っていたようで、財政難の中、本気で栗東に駅が必要と思っていたようだし、県民が指摘しても、いまだにそう思っている議員もいる。過去にも空港必要論に賛同していたのだから、推して知るべしか。
◇来週から県内の市町が相次いで新年度予算案を発表するが、借金の増加に歯止めをかけている自治体がどれだけあるだろうか。
借金増加の責任は自治体だけにあるのか?チェック機能を持つ議会は何をしているのか?有権者は自身の投票した議員の働きぶりを監視すべきだろう。地元からの陳情や要望を自治体の予算に反映させるだけで、予算書や決算書の読み方も知らず、議会での質問原稿は代筆、なんてよく聞く話。
最近は、「議員の調査研究に資するため」の政務調査費の使い方についても、議員の傍若無人ぶりが何かとクローズアップされている。政務調査費を車検代や架空の事務所費に充てたり、「視察」を謳った議員同士の親睦旅行に流用したりと、好き放題なようだ。
この政務調査費、ほとんどの都道府県議会で収支報告書への領収書の添付の必要がないから、何に使ってもバレないし、「第2の報酬」とも呼ばれている。
滋賀県議会の場合は議員一人あたり月額20万円、会派には所属議員一人あたり10万円を支出している。従来、領収書の添付は一切不要だったが、06年度から1万円以上の出費については領収書の添付が必要になったというから、他の都道府県に比べると優秀か。ちなみに長浜市議会は一人あたり月額2万円で、収支報告書にはすべての領収書の添付を義務付けているので、さらに優秀。そして、情報公開請求すれば、政務調査費をどのように使っているかが分かる。
余談だが、英国など欧州各国の地方議員は無報酬が原則。その理由は「自治体から報酬をもらっていて、どうやってチェックできるんだ?」というものらしい。
◇税金を好き放題する自治体や議員へのあてつけか、何かと理由を付けて納税を拒む住民が多いという。税金を払えないほど、家計が苦しいならまだしも、立派な家に住んで、外車を乗り回し、贅沢三昧で暮らしているケースもある。
滋賀県税政課によると、職員が納税をお願いに行ったら、「1日100円ずつ払うから毎日、取りに来い」と言われたり、「ろくな死に方せんぞ!」と怒鳴られたり、役所で床に小銭をバラ撒き「欲しいなら拾え」…など、現場はいろいろと大変なようだ。県では05年度から、滞納整理特別対策室を設置して差し押さえを含めた強い姿勢で取り組んだところ、例えば自動車税では04年度末の滞納額10億2000万円が、05年度末には8億4000万円に減らせた。「差し押さえ」をちらつかせるのが効果的なようで、インターネットのオークションで差し押さえ物件の売却に乗り出したことで、税金徴収はさらに進むとみられ、長浜市もオークション参加に興味を示している。
ただ、税負担の公平性の観点から、納税逃れの確信犯には強い姿勢で臨んで欲しいが、税の入口を強化するなら、出口もしっかり監視して欲しい、と願うのは小欄だけではないはず。でなければ、増税(定率減税廃止)なんてとんでもない、とは市民の声。
2007年02月16日 12:59 | パーマリンク
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