6カ国協議と安倍首相
北京での6カ国協議は終わったが、結果は予想通り、北朝鮮のねだり勝ちだった。
そして曲がりなりにも議長国の顔を生かして、合意文書にこぎつけた中国外交の名演が印象に残った。
これで、北朝鮮の核に鍵がかけられ、暴走、暴発の危険は解消した、と、表向きはバンザイの表情だが、一皮剥けば、ほくほく顔の北朝鮮の喜びが手にとるようだ。
◇あざやかというか、手に負えぬヤンチャ坊主の頭のよさが光るが、同時に哀れをとどめたのはアメリカの弱腰であった。
なにしろ、「イラク」で国内の世論が反ブッシュ化しつつあり、それにイランの高姿勢も一枚加わってのこと。この上、さらにアジアで一騒動もたらしたらブッシュを先頭に共和党は吹き飛んでしまう。
ここは少しアホーになっても、形だけ、核停止の手形さえ受けとれば、金融封鎖も解除しよう、エネルギーも送ろう、と北の要求を苦虫をつぶして飲みこんだ。
◇日本と韓国はどうか。韓国は、はらはらしながら、どうか北のペースでうまくおさまるよう祈り続けていた。どたん、ばたんの荒々しいトラブルや硝煙が立てば、北と陸続きの国だけに不安と混乱と危険にさらされる。
他の国からもらうものはもろて、表つらは非核化します、といっていればめでたし、めでたしと考えていたからその通りになって、やれやれの心境だろう。
◇日本はどうか。山崎自民党前副総裁が、北朝鮮参りをして、どんな工作をしたのか。なにを教えられたのか知らないが、わが安倍首相は、孤立化といわれながらも一応毅然として重油の応援致しません、と突っ張った。下降気味の安倍さんの人気がこれで少し上昇することは間違いない。
日本国民が注視するなかで、拉致問題に何らの前進がないまま、助け船にだけ重油を積まされれば、それこそ物笑いの種であり、国民の不信と怒りを買っただろう。
民主党の前原前代表は国会質問で安倍さんに「孤独化せず、重油も送ったらよいではないか」と迫ったが、これは北を喜ばすだけで、日本人の心を氷らせる。日本はバカにされっ放しであり、面前にピストルをつけられて、「もの寄越せ」「経済制裁やめろ」とわめかれているのであり、「はい、はい、さよう。ごもっとも」と言えば先方は喜ぶだろうが、日本人は逆である。
経済制裁を続けるという安倍さんの強い態度は国民の世論を背景にしているからだが、今回の6カ国協議はワンステップで、まゆつばもの。次なる6カ国協議までにどんな変化が起きるか。あるいは次の協議で話がどんなに進行するか、晩秋の時雨(しぐれ)のような姿が北朝鮮であるから「やれやれ」などと安心するのは早い。
◇安倍さんも今は強い姿勢だが、後日どう変化するか、他の4カ国の外交のほこ先は予測がつかない。
アメリカはいざとなれば遠い太平洋の彼方のことであり、日本の運命など、かかずらっていられない、などと水臭い態度になるやも知れぬ。
同盟国とはいえ、どこまで日本の安全を担保してくれるか未知数である。信じるものは強しというが、今回の6カ国協議の結論からいえば、大統領選をひかえてのブッシュの思惑が先行して、日本と二人三脚で立ち向かう姿は見られなかった。
ここにきて思うことは日本政府は毅然として、国の独立と、国民の安全を守るという姿勢に徹することであり、そこに安倍内閣への信頼と期待がかかるといえよう。
2007年02月15日 14:39 | パーマリンク
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