続発する役人の不祥事
あちこちの府県や市町で、いわゆる公務員の不祥事が後を絶たない。
毎日、どこかで何かが起き、その破れの繕(つくろ)いに皆が振り回され、知事や市長らが「申しわけない」と再三、再四詫びの弁明をするかたわら再発防止をおうむ返しに繰り返している。
いやはや、なんとも言えぬこの国のお役所の綱紀の弛緩ぶりである。
◇大阪や奈良、京都で昨年、毎日のように報道されたのは同和事業を食いものにした「えせ同和」の不祥事だったが、日本の役所がいつごろから、こんなふうに堕落するようになったのか。このさい、学者先生に明治以降の役人の体質とその実態、変化などを研究してほしいと思う。
ひょっとすると、日本は江戸期の「おさむらいさん」の特権意識が尾を引いて、それが明治以降の役人に伝播していったのかもしれぬ。
◇江戸期の諸藩の藩政を動かしたのは家老以下藩の役人だが、末端行政には代官が派遣され、それが村々の庄屋を通じて税金を徴収したり、使役を課した。
藩の役人はもちろんのこと、代官は一般人民(主に農民)を人以下に見下げて、その生活上にいろいろな規制をしたり、難題を投げかけたりして、民衆を泣き寝入りさせることが多かった。
藩の財政が苦しくなると、役人への待遇が悪くなり、役人の生活を圧迫した。そこで、役人たちは顔と地位を利用して、商人などの金持ちから金を借りることがあった。
彦根藩のごときは、いろいろな名目で、商人から巨額の資金を借入れた。そのうち返せなくなると、あたかもそれの担保のように町民に苗字帯刀を許したり、士(さむらい)の身分に取り立てた。
重役級であれ、下っ端役人であれ、庶民に言いがかりをつけて、いじめをすることがあり、その緩和策に賄賂(わいろ)を要求した。
◇こういう役人の体質は明治になってからも引き継がれたものと思われ、役人と賄賂は切っても切れぬ宿縁にあった。
だから、役人の汚職事件は今に始まったものではない、と、ぼくは見ているが、それが近年、目に見えて頻発しているのは多分、情報公開が法律化され、うちわで丸めておこうとする闇の部分が表へ出るようになったからであろう。
◇2月6日付の読売・社会面には大東市の人権啓発団体が、勤務実態のない男性職員(57)に市の補助金の6割にあたる年約800万円の給与・ボーナスを支給していたことが分かり問題化している。
男性は同和団体「全日本同和会」大東支部の顧問。その同じ紙面に大阪府の北部衛生所が裏金をプールして、ボーナスとして山分けしていることが報じられた。
獣医師らに支払う日当を府に水増し請求するなどして作った裏金を所内の金庫に保管し、所長の了解の上、職員の飲食代に使い、残りを職員に分配していた。なんのことはない、水増しで貯めた金は府民の税金である。それを飲み食いやボーナスにして、配分したりしていた。
◇その記事の別の箇所には防衛省の技術研究本部の元技官が海上自衛隊の潜水艦に関する秘密資料を持ち出して、在日中国大使館の武官に流した疑いで、書類送検されている。
スパイ行為だが、その代償にどんな利益を得ていたのか。以前にも日本の中国大使館員が、スパイ行為で窮地に立たされ自殺したことがあった。
どれもこれも役人の綱紀が乱れに乱れている事実の証明であるが、こういう不祥事が次から次へと出るということは、まだまだ闇の部分の多いことを思わせる。これまで、表へ出なかったのは、うちうちの仲間同志のかばい合い、助けあいがあったのかもしれぬ。みんな同様なことをしているからお互いさま、見て見ぬふりをしていたのかもしれぬ。
大阪府の北部衛生所の裏金は、職員みんなが山分けしていたというから、山賊が民衆から奪ってきたものを山分けしているような図で、これは以前の北海道の教育委員会がらみの不祥事と同じで、厚かましいのにもほどがあるが、民衆はバカだから、何をしてもいい、くらいに思っていたのかもしれぬ。そのバカな民衆の中にはわれわれの代表の議員先生も含まれる。泣きたくなるような情けない話ではないか。
2007年02月07日 18:20 | パーマリンク
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