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給食から見る親の自戒(見聞録)

 学校給食費の未納が全国で22億円にのぼる。滋賀県教委によると、県内の小中学校の2005年度の滞納額は約2140万円。家計が苦しいのではなく、余裕があるのに払わない親が少なくないという。
 湖北地域の各市町の給食費滞納の内訳は▽長浜67万0400円▽米原62万2750円▽虎姫2万2800円▽湖北10万6287円▽木之本2万2200円▽余呉2万9400円▽西浅井8万1200円―で、高月町のみゼロだった。
 高月町の学校給食センターは町内の小中学生約1000人に給食を提供し、銀行口座からの引き落としで給食費を徴収。残高不足で支払いがない場合、文書や電話で督促すると、支払いに応じてくれるという。06年度になっても今のところ未納はない。
 長浜市も口座からの引き落とし。悪質な踏み倒しはないものの「払えるのに払わない」ケースがあり、学校関係者がわざわざ生徒の自宅に足を運ぶことも。
 親は学校現場や給食を軽んじているのだろうか。人間形成の根幹の一つとして「食育」の必要性が訴えられる中、憂うべき出来事ではないだろうか。
◇アフガニスタン、ボスニア、チェチェン、イラクなどで取材しているジャーナリスト佐藤和孝氏は、人間の根源的欲求の「食」についてレポートしている。例えば、旧ソ連に抵抗したアフガニスタンのゲリラ戦士は、戦争の大義や組織の理念にとらわれれず、「腹いっぱい食わせてくれる」指揮官を求めて戦場を渡り歩いたという。戦争で住む家も、仕事もなく、食べるために、命をかけて戦った。
 民族対立により住民同士が殺し合ったサラエボ紛争では、銃弾が飛び交う中で、住民がどこからか食糧と酒を手に入れ、カフェを開いた。長引く戦争下、食事に安らぎを求めての行為だろうか。
◇昨秋、エジプト旅行に出かけたとき、人の「食」への渇望を目の当たりにした。ちょうど旅行期間がイスラム教の「ラマダン(断食月)」と重なったため、町のレストランは休業し、アルコール販売はご法度。ムスリム(敬けんなイスラム教徒)はその月、日の出ともに断食し、日没後は盛大に、賑やかに家族や近所の住民と一緒に夜遅くまで食事やおしゃべり、散歩を楽しみ、夜明け前に再び食事。そんな生活が1カ月も続くから、皆、慢性的な寝不足で、日中は無気力で、昼寝してばかり。
 日没迫る夕方になると、帰宅ラッシュが始まるのだが、ただでさえ人が多いカイロの街は、我先にと食事の待つ家を目指すムスリムで大混雑し、車がひしめき、砂ぼこりが舞い、空腹のイライラでクラクションの嵐。その圧倒されるほどの騒々しさに、食べることを渇望する情熱、パワーを感じたのが、当時の印象。
◇そういった食べることへの純粋な欲に比べ、物質的豊かさに埋もれる日本では自己利益の追及のため、消費期限切れのものを売ったり、産地を偽装したり、健康への効果を捏造するなど、食を冒涜する事件が次々と明るみになり、給食費未納問題もその一部。
 以前、税金の徴収業務関係者から聞いた話。税金を払わない親を持つ子どもは、大人になったとき、親と同様に踏み倒す傾向にあると。
 ちなみに、ラマダンは断食を指すのではなく、人間の欲を戒める宗教的「試練」を意味する。今の日本の親たちにも自戒が求められているのではないか。

2007年02月02日 14:13 |


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  • 1月 26日(金)  【グラスギャラリー・マヌー】
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