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不二家の驕りと国民

 洋菓子メーカーの不二家が存亡の危機にさらされている。
 期限切れの牛乳を使用したシュークリーム、消費期限のごまかし、国の細菌検査の基準を超えるものを出荷するなど、消費者の不安と怒りは高まるばかりである。
 かつて、国民は雪印乳業の集団食中毒事件を経験した。
 大企業のブランド商品に馴らされている消費者は企業の一方的宣伝に乗せられて、言わば飼い犬がドッグフードに飛びつくように、その商品を愛用してきた。
◇不二家の藤井林太郎社長は責任をとって、辞任を表明したが、不二家商品の不信感は、なだれ現象を呼んで、日本各地のスーパーや百貨店などから販売をボイコットされるに違いない。
 流通業界に与える影響、不二家自体の工場経営と従業員対策、さらには日本の経済界に与える波紋は計り知れない。
◇今回の不二家の食品管理上の数々の違反は、大メーカーの驕りそのものであり、絶大なる信用を逆手にとって、売れば儲かるの感覚で商品の安全性を無視してきた。
 いやしくも消費者の口に入る菓子類に、期限切れの原料を使ったり、消費期限を基準より長くしたり、社内基準の640倍もの細菌を持つ商品を出荷するなど、許すことの出来ぬ悪徳商法といわねばならぬ。
◇われわれ消費者は、ここに来て、一つの転換期として、一切の食品について、その安全管理を疑ってみる必要があるのではないか。
 例えば、消費期限の日付が正しく守られているかどうか。売れ残り商品の管理、処分はどうしているのか。
 あるいは原料と加工工程における化学物質などの適格性、無害性についての検査はどうしているか。抜き打ち検査や、その検査結果の公表など、正しく行われているか、などが問われよう。
◇現代の食品は、素材のまま販売されているのはごくまれで、大部分は程度の差こそあれ、加工されている。複雑な加工工程を要するものほど原料や添加物の安全性が問われなければならぬが、果たして政府や行政は十分な検査機能を保持し、的確な指導や検査を通じて、食生活の安全を保障しているであろうか。極めて疑問である。
◇これは、一反の責任は消費者にもある。最近は、手作りすることを放棄するようになり、一切の飲食物を店頭で購入することが恒常化した。その結果、メーカー側は、消費者の口に応える美食指向となり、化学薬品などをふんだんに使用して、うまみを付加する商品を開発した。それは味噌、醤油、酢類の日本本来の発酵食品にまで及び、さらには緑茶にまで加工工程を経て添加物を使用するようになった。
◇原料について言えば、農業生産物ばかりでなく、海産物までが輸入されているのが現状である。
 これらの食品原材料の輸入品が国の規制基準内安全性を保持しているか、どうかも関心の高いところであるが、残念ながら、この種の情報は国民に開かれていない。
 このさい、国民は毎日、食べている食品が、どこの国の原料で、どんなふうな加工処理がされているのか、安全基準に合致しているか、などと常に疑問を持ちつつ、出来る限りは、消費者自身の手によるいわゆる手作り料理、手作り菓子、飲料によって、作る喜びと、健康促進を図ることが大切ではなかろうか。

2007年01月16日 14:42 |


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