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尻の戯れ歌、人の覚悟

 「頭隠して尻隠さず」という。洋菓子の大手メーカー・不二家の不正発覚もこれに似ている。
 大丈夫だろうと表面をごまかしたが、尻まで隠すことができなかった。
 保険金ねらいの殺人や放火などの事件。犯人たちは、跡を残さぬよううまく隠したつもりでも尻を隠すことができず、結局はご用となる。
◇悪事露見せずと、うまく表面をとりつくろっても、時の経つにつれて必ずボロが出る。そういう仕組(しくみ)が神のお裁きであり、これを老子は「天網恢々(てんもうかいかい)疎(そ)にして漏(も)らさず」と言った。
 天の張る網は、広くて目が粗(あら)いようであるが、決して悪人を網の目から漏らすことはない。「悪事を行えば必ず捕らえられて天罰をこうむる」という意味の教訓。
◇人生は長くて100年、短くて50年。いつかは死ぬ。
 貧乏・金持ち回り持ち。金は弥陀(みだ)ほど光るとは、昔の人のたわ言よ。山ほど金のあったとて、持ってあの世に行けはせず、下手に残して子供らの、喧嘩の沙汰ぞおぞましき。
◇さて、人間、遅かれ、早かれ、いつかは死ぬが、いよいよ最期のどたん場で、帳尻合うやら合わぬやら。
 審判官はエン魔さん。銀行ならぬエン王の、三途の河の大福帳。「世のため人のため何を、しておいでたか」。さりながら、「盗み、暴力、詐欺、殺し」。その場はうまくごまかせど、神のまなこに狂いなく、鏡の如く透きて見ゆ。帳尻合わねば、さ、さ、さ、身も世もあらぬ地獄ゆき。
 恐(こわ)か、こわかと子に言えば、子はまた孫に「こわか」という。
◇尻は「しり」でも「しくじり」は人間だれでも避けられぬ。
 しくじり素直に省みて、謝(あやま)るべきは謝って、正すべきことただすのが人の信用得る一歩。
◇情ないかな、この世には己れのしくじり棚に上げ、尻をまくって牙をむく変なやからの後絶たず。なかには組の若ものや刺青(いれずみ)男の出る事も。
◇いかなる富も権力も、地位、肩書きも一陣の、逆風吹けば、栄光は、たちまち悲しや尻すぼみ。
 オリックスの中村紀洋、かつては2冠王の大ベテラン、今は自由契約に。買い手求めてさむざむと、渡る球界ほとけなし。
◇げに、人間は驕らざれ、尻もち搗(つ)いて、またついて、あげくの果ては、淋しげに、一線去る日の空しさよ。
◇人生たかだか80年。なかでも脂(あぶら)の乗る時期は、30年か40年間。若き日の苦は、身のクスリ。辛抱はカネと、歯を食いしばり、人に負けずに働いて、人の喜ぶ佳き人に、ならんと励めば自(おの)ずから、天の恵みの輝きて、人の命運尻上がり。尻は尻でもこの尻は人を明るく幸せに。夜空の星に似て清(すが)し。
◇尻は尻でもこのごろは、尻に敷かれる男どち。尻を叩かれ、へのへのもへじ。尻に火が付き、尻に帆かける。
 国や役所よ「尻を拭(ぬぐ)うな」、「しりもつもれば山となる」。

2007年01月20日 14:19 |


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